第9回アジア臨床腫瘍学会 学術集会の概要

2011年7月、横浜にて開催された第9回アジア臨床腫瘍学会 学術集会が、国立がん研究センター主催で開催されました。

日本臨床腫瘍学会は、わが国が遅れていた腫瘍内科学の確立とがん薬物療法専門医の育成を目指して、国立がん研究センターが中心となり2003年に設立されました。10年経過した現在約は会員数8,000名を超える学会へ成長しました。

その結果、腫瘍内科学、薬物療法に関する臨床研究も世界とのレベルの差が縮まってきており、国立がん研究センターを中心に日本国内から世界に発信できる質の高い研究成果も多く出てきました。

 第9回目となった今回から、集会の内容が大きく変更されました。シンポジウムの講演内容を最新のオリジナル演題で実施するために開催時期を7月に変更し、毎年6月に開催されるASCOで発表される最新演題についてテーマとすることとされました。

シンポジウムのテーマとして設定されたのは、日本が中心となり実施した臨床試験で世界的にインパクトを与える4演題を厳選して開催されました。

7月21日のシンポジウム「がん薬物療法における支持療法の新しい展開」では、近畿大学医学部皮膚科学の大磯直毅氏が、分子標的薬治療で起こりうる皮膚・粘膜障害への対処についての解説がありました。

同日のASCO/JSMOジョイントシンポジウムでは、近畿大学医学部内科学腫瘍内科の岡本勇氏が、非小細胞肺癌の初回治療後の維持療法についての解説、国立がん研究センター東病院消化管内科の吉野孝之氏の、切除不能大腸癌における抗EGFRモノクローナル抗体製剤の個別化治療についての解説、杏林大学医学部内科学腫瘍内科の古瀬純司氏の、肝動脈塞栓療法(TACE)と分子標的治療薬の併用の成績についての紹介等最先端の研究発表対して、海外の一流研究者がそれぞれの視点からのコメントを行いました。

今回の学術集会では、「インターナショナルセッション」を新しく設け、日本、韓国、中国、台湾の東アジアの国々からそれぞれ1人が共同司会者となり、臓器別に11セッションから情報発信を行いました。

発表演題数も1000を超えて、前年の5割以上増加となりましたので、会期も2日から3日に延びました。学会としてさらなる成長が期待され、次回開催に向けてさらなるステップアップが期待されます。