学術集会の取り組みとは

2011年7月21日~23日の3日間、横浜市で第9回アジア臨床腫瘍学会 学術集会が開催されました。この取り組みが日本で開催されたのは実に20年ぶりであり、アジアのみならず世界の21ヵ国から約1500人が集結し講演数も704に及びました。

講演のテーマとしては胃がん、乳がん、肺がん、肝胆道がん、大腸がんなど様々でしたが、その中でも特に胃がんについてのテーマが多く見られました。胃がんはアジアでの患者数が世界の約8割と多く存在し、治療方法を欧米諸国へ情報発信することが求められています。

胃がん化学療法をテーマとしたシンポジウムでは、胃がんの一次療法で日本で推奨されているTS-1+CDDP療法に対して欧米では異なる療法がなされており、それが世界への情報発信をリードしていることが疑問視されました。

医薬品の中でも特に作用の強い抗がん剤は有効性が高く、副作用が少ないことが重要視されます。日本で開発されたTS-1の有効性、安全性についての臨床試験データが示されると韓国や台湾からはこのレジメンのメリットについて賛同する声が得られ、世界でも注目が集まりました。

また現在の抗がん剤治療では、従来から行われていた同じ病気には同じ治療を施すという「レディメイド医療」を覆す「オーダーメイド医療」が重要視されています。近年は分子標的薬の開発が次々に進んでおり、この取り組みでも演題が多く見られました。

分子標的薬はがん細胞への特異性が高いために有効性が高く、副作用が軽減されていることが大きな特徴となっています。

胃がんではHER2検査で陽性の患者に使われる分子標的薬としてトラスツズマブの有効性が示されました。しかし、この取り組み後も分子標的薬の研究はなお続けられており、現在ではラムシルマブが登場して更なる治療効果を示しています。

日本は今までがん治療において世界に遅れをとっていましたが、この取り組みにおいて日本から世界への情報発信となる場面が多く見られました。今後も世界と協力して研究し、更なるがん治療の発展が期待されています。