胃癌治療のトピックス

アジアから世界に向けて情報発信を行うことを目的として開催される国際学会に、アジア臨床腫瘍学会学術集会があります。1991年で日本で最初に開催されており、その後は2年に1回の割合で、アジア各国の持ち回りによって開催されています。

2010年には20年の節目にあたることから、日本においては2度目となる第9回アジア臨床腫瘍学会 学術集会が、8月25日から27日までの3日間に渡って岐阜市で開催されています。参加国はアジアのみならず世界21カ国に上り、参加人数においても過去最多となる1,500名が参加をしています。今回の大会は、初めての試みとなる市民公開講座が設けられており、ここでは、大勢の岐阜市民も参加をしたワークショップが開催されています。

大会では、胃癌治療に関してのシンポジウムが設けられており、ここでは、まず、アジアにしかない治療の発信として、新しいがん治療法として漢方の可能性が述べられています。内容としては日本で実施されていた漢方療法と、起源とされる中国における療法との違いが示され、臨床試験の現状や基礎研究に関しての報告が行われています。

2つ目としては、日本で開発されたTS-1を中心とした胃癌化学療法について述べられています。現在、日本における胃癌治療では、切除不能進行や再発胃癌に対する標準治療として、TS-1とシスプラチン療法が一次治療として推奨されています。しかし、現在、世界的に胃癌治療における標準治療の一次治療としては、欧米が推奨をしているECF療法やDCF療法が用いられています。

胃癌治療においては、その患者の約8割はアジアにいるとされており、シンポジウムでは一次治療の在り方が問われています。日本においては年間100例以上の胃癌手術を行っている医療機関も多く、ここでは、通常、数名の胃癌患者しか診療しない欧米の胃癌化学療法を標準治療としていることに疑問を呈しています。少なくとも世界の胃癌患者の約8割が存在しているアジア地域から標準治療を提唱すべきことを唱えており、TS-1に関して、他の国からの発表も行われています。