学術集会が目指すもの

第9回アジア臨床腫瘍学会 学術集会は、東日本大震災の約4か月後と言う2011年7月に行われた学会です。本会の発足は2003年です。初代理事長の西條長宏先生を中心として約600人の会員でのスタートでした。当時、日本にはがん薬物療法専門医が少なく、世界に大きく遅れておりました。そのためがん薬物療法専門医を育成することが発足の大きな目的でした。

今では会員数は8000名をこえ、がん薬物療法専門医も600名に達しました。
今回の学会で、わが国と世界との差も徐々に縮まっていることが手に取るように分かり、発足当時の目標であった、がん薬物療法専門医の育成は、クリアできたと自負しております。次なる目標は質の向上でしょう。

日本は今まで、世界の後ろの方を歩いていましたが、今回の臨床研究の中には、アジアを世界をけん引していけるようなものも見られました。そしてもう一つの目標は、日本から世界へ発信し続けることや、世界と手を取り合って共同研究をすることだと考えておりました。

そこで今回は、インターナショナルなディスカッションを行おうと、日本、アジア、欧米の研究者での討論を試みました。大変熱い討論となり、発表に対して海外の現状をまとめてお話し頂けるシーンもあり、国を超えて互いに支え合う姿も見られました。

ASCO,ESMO,中国のCSCOや韓国のKACOとの懇親会を行う事もでき、試験サマリーが書かれたファイルと試験の概要が書かれた書類を交換する姿も見られました。世界中の一部の地域では、国と国が争い戦争を行っている昨今、がん撲滅に向けて世界が手を取り合うことができたことは、誠に感慨深いことでありました。

我々日本だけではなく、世界中が国際共同研究を行いたいと考えていたことも判り、わが国から海外の研究者たちに声をかけたことは、正解であったと思っております。これを実現するという、新たな目標もできました。大変実のある学会になったと、感じております。

本学会を開催するにあたり、多くの方々から陰日向なく多大なご協力を頂いたこと、また、東日本大震災から4か月ほどしか経っていない状況であるにも関わらず、来日して頂けた先生方に厚く御礼申し上げます。